動的質感というキーワードのもと、スバルはどう進化するか。 [2016年02月05日更新]

フォレスター スバル
 
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photo by FHI
動的質感の向上とは何か?
 
2016年2月5日 スバルの何が変わり始めたのか。

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文責:スバルショップ三河安城 和泉店

お問い合わせ:0566-92-6115

担当:余語

 

動的質感。それを意識してスバルの何が変わったか。

これからのスバルを表現するコンセプトキーワード、「動的質感」。これまでのスバルが受け継いできた何か、それを表現するコンセプトキーワードである「SUBARU DNA」。この2つのキーワードの背景にあるものとは。そして、スバルの何が変わり始めているのか、詳しく見ていきましょう。

スバルは、後の「86」「BRZ」となるFR小型スポーツカーの共同開発へ向けて、2005年にトヨタと業務提携を行いました。この提携はトヨタの株式保有だけでなく、人事交流にも繋がります。その中で得たものが、コスト意識でした。ちょうどその頃、BP/BL型「レガシィ」の低い利益率が社内で問題になっていたのです。

2009年登場のBR/BM型「レガシィ」は、トヨタとの提携で得られた見識を数多く反映したものになりました。このモデルは、ボディサイズを一気に拡大したため北米で大ヒット。当時、厳しい状態にあった富士重工の財務体質を一気に健全化したのでした。一方で、反省もありました。スバルらしさが薄れていたのです。

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スバルとは何なのか。自らのルーツから見つめなおす。


これからのスバルを表現するコンセプトキーワード、「動的質感」。これまでのスバルが受け継いできた何か、それを表現するコンセプトキーワードである「スバルDNA」。この2つのキーワードの背景にあるものとは。そして、スバルの何が変わり始めているのか、詳しく見ていきましょう。

薄れゆく「スバルらしさ」に対する危機感から生まれたのが「スバルとは何なのか」という自問自答でした。提携先のトヨタの意向とは逆に、スバルは自らを過剰にトヨタナイズしてしまっていました。

事ここに至り、スバルは原点を探すべく、模索を始めます。そこに込められた思いを、スバルは「SUBARU DNA」という言葉に込めました。SUBARU DNAに関する学習は全社員に徹底された他、今では販売店スタッフまでに学習の輪が広がっています。

スバルのルーツは当サイト別項の通り、中島飛行機という航空機メーカーです。上下無く自由闊達な議論を尊ぶ社風。先進の技術を貪欲に取り入れつつも人命第一とする。その技術哲学は60年経過した当時のスバルにも受け継がれていました。技術と安全。その哲学こそが、スバルをスバルたらしめていることに気が付いたのです。

そこから生まれた言葉が「安心と愉しさ」というキーワードでした。走りと安全を高次元で両立する、それが新たなスバルのテーマとなったのです。低重心のボクサーエンジンとシンメトリカルAWDがもたらす、スバルならではの、気持ちいい走り。世界最高の衝突安全性能や予防安全技術「アイサイト」がもたらす、最高の安全性能。このスバル独特の世界観が、エコ一辺倒であった自動車市場に新鮮なインパクトを与え、今日の快進撃に繋がっています。

 

次なるキーワード。動的質感とは何か。

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スバルの販売するモデルの平均価格は、280万円台に達しています。この水準は、海外のプレミアムブランドに迫るものです。こうしたクラスにスバルが階級を上げていくには、これに応じた満足をお客さまに感じていただかなくては、次がありません。

そこで、2014年に初めてスバルが対外的に掲げた開発テーマ。それが、動的質感でした。エクステリア、インテリア、サウンドと静粛性、足廻り、走行安定性など、それぞれを丹念に詰めていくことで、クルマ単体としての完成度をさらに一段高いレベルに押し上げるのが目的です。

この動的質感という言葉が初めて用いられたモデルが、現行「レガシィ」でした。ワンクラス上の品質感と乗り味、満足感。これぞ、動的質感というべき完成度をもって登場しました。

スバルは、間断なく各モデルの年次改良で動的質感の改善を図っていきます。2013年に投入したC型「インプレッサ」では、足廻りを改善。2015年秋投入のE型では、エクステリア・インテリアのクォリティをアップしました。先頃登場したD型「フォレスター」では内外装のデザインだけでなく、アイサイトver.3への換装とともに足廻りに大幅改良を実施。走りと質感を劇的に向上させています。

走りがいい、と言われるスバル。さらなる進化のために、スバルはこの1年何を変えてきているのでしょうか。

 

乗り心地も数値で評価!手早く「いいクルマ」を作る方法。

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乗り心地とは本来、感性評価の対象です。数値ではなく、乗ってみた「感想」で決まります。ところが、目標設定が不明確ですから、際限なく時間も掛かるし、コストも嵩んでいきます。

そこで考えられたのが、乗り心地評価の「数値化」です。車両の各箇所に加速度センサーを接地して、テストコースを走行。そこで得られたデータを周波数で解析します。ガツン!ゴンッ!といった衝撃的な入力は高周波数域成分で示されますし、フワフワした揺れは、低周波数成分で示されます。となると、こういった不快な成分をばっさりカットすれば良い、とも考えられます。

高周波成分をカットするのに最も有効なのは、ゴムを挟むことです。ゆるいゴムブッシュを挟めば、振動をシャットアウトできます。サスペンションの取付けポイントにもどんどんゴムブッシュを挟んでいけば、多少サスペンションの動きが悪くても(その分、開発コストも原価も節約できる)、乗り心地を充分確保できるのです。

しかしこれでは、タイヤの位置決めが甘くなります。路面からのインフォメーションも途絶してしまうし、ボディとタイヤの動きにズレも生じてしまいます。高速走行では常に不安定で、ハンドリングも不明瞭かつ不正確。これでは「いいクルマ」にはなりません。

 

いいクルマの創り方。手間暇を惜しまず、コストも惜しまず。

本来は、ガッチリとした高剛性ボディをすべてのベースとし、サスペンションは設計通りのアライメントでしっかりストロークさせて、入力はスプリングで受け止めて、エネルギーをダンパーで吸収していくのが理想です。タイヤの位置決めをしっかりさせておくことで、直進安定性は高まりますし、ハンドリングの「精度」も高まります。その分、路面からの入力が強くボディに入りますから、ブッシュやダンパーに惜しまず時間とコストを掛けつつ、原価には多少目をつぶって、懐深くかつしなやかな足廻りを創りあげていかねばなりません。

こうした開発手法の欠点は、コストと時間の浪費です。それゆえ、高い利益率を誇るプレミアムブランドではそれが可能であっても、量販ブランドではコストと時間の制約から諦めるざるを得ないのです。

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プレミアムクラスへチャレンジ。静粛性の向上のためにガラス板厚アップ。

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プレミアムブランドに近付きつつあるスバル。そんなスバルにとって、プレミアムブランドに伍する走りと品質を獲得することは至上命題です。この度ビッグマイナーが実施された後期型「フォレスター」には、プレミアムSUVへ近付くためのレシピが可能な限り取り入れられています。

まずは、静粛性の改善です。フロントガラス、フロントドアガラスを3.5mmから4.0mmへ、リヤドアガラスでは3.1mmから3.5mmへと板厚がアップされています。これに伴って、パワーウィンドウモーターやモール、シールなどが変更、ガラスからの透過音が大幅に削減されています。

 

大掛かりに仕様変更された、後期型フォレスターの前後サスペンション。

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フロントサスペンションでは、クロスメンバーをWRX用の部品に変更しタイヤの位置決めを強化、ダンパーはより一貫性のあるフリクション特性を持つよう変更が加えられており、これに合わせてスプリングのばね定数も変更されています。2014年にインプレッサ系で実施されたように、フォレスターでもステアリングギアボックスが換装されており、ギア比が15.5:1から14:1へとよりクイックに変更されています。

リアサスペンションはダンパー、スプリングの特性変更だけに留まらず、さらに大きな変更が加えられています。

ダンパーの取付けポイントが外側に移設されレバー比が改善されているのです。ダブルウィッシュボーンもしくはこれに類するマルチリンク式の場合、ダンパーの取付けポイントが内側にあると、レバー比が小さくなります。タイヤの動きに対して、ダンパーの動きが小さくなるので、細かい動きに対する追従性が悪くなります。そこで、今回この取付けポイントを5mm外側に移設しました。

これに合わせて、スタビライザーリンクの取付点も変更されていて、作動効率の改善が図られています。トレーリングリンクのブッシュが強化され、アライメントはトーインをほぼゼロに変更しています。

もちろん、効果はあるでしょう。しかし、変更が及ぶ部品点数はかなりの数になります。フルモデルチェンジと違って、大きな初期受注を期待できないマイナーチェンジでここまでコストを掛けるのは、異例中の異例です。

 

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